大切なものしかない地図は，日常的に役に立たない。つまらない情報しかない地図は，いざというとき役に立たない。わたしたちはその中間の地図を頭のなかに持って生きている。わざと，中途半端な地図を持って生きているのが人間だが，さて，では，グーグル・マップは，どぉあるべきか？

quote：売春宿を探している？　ならグーグルで調べたらどぉだろう。読者からの報告によると，英国のグーグル・マップで自分の街の郵便番号である「TN12 7EA」を検索する。確かに自分の街の地図が表示された。さらにその街にある「売春宿（brothel）」を探そうと検索すると，ポンが右側に2つの店がリストされる。…が，待て待て，いちばん上に表示されているのは警察署ぢゃないか（pic）。英国で売春宿を経営することが違法だと，指摘してくれてるようだ。

　なにをどぉ間違って売春宿の検索結果に警察が表示されているのかよくわからないんだけど，ジョークにしてはなかなかスパイスが効き過ぎているようだ。日本でも早くグーグル・マップをみてみたいけど，問題はどれだけの情報を詰め込めるかだろう。簡単にリベートを支払うお店だけを提示したのでは，さっぱり情報量が少なすぎる。一部の情報しかないのではその地図はまったく正確とは云えず，たぶん満足できるものにはならない。なかなか難しそうだ。

　生きることは，頭や身体に地図を持つこと，と耳にすることがある。きのうまで知らなかった道を知り，その道にある店をおぼえ，道を歩いていった先の場所を知る。それによって賢く生きることができ，時間を無駄にせずにすむ。それは大事なことだ。だが。この道を歩いていって，行き着く場所を知ってしまったら，もう行く必要はないこともある。地図を目安以上の存在にしてしまうと，もうそこにいる必要はない。売春宿は，グーグルに教えてもらうよりは，もっと別のところから情報を仕入れて知るべきのようだ。だから，このグーグル・UKの検索結果は，なんか，正しいような気もするな。